誰かと話しているとき、「早く結論を出さなければ」と焦ったことはないでしょうか。あるいは、相手に何かを伝えようとして、うまく言葉が見つからず、黙り込んでしまったこと。
そんなときに思い出したい考え方が、フィンランドから生まれた「オープンダイアローグ」です。
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## フィンランドの小さな町から始まった試み
オープンダイアローグは、1980年代にフィンランド西部の小さな地域で始まった対話の実践です。もともとは精神科医療の現場で生まれたものですが、その本質にあるのは、医療よりも「人と人とがどう話すか」という問いです。
この実践の中で大切にされていることのひとつが、「その人のいないところで、その人について決めない」ということ。
何かを話し合うとき、関係するすべての人が同じ場に集まり、声を出す。誰かのことを、本人の知らないところで決めてしまわない。それだけのことのように聞こえますが、実際にやろうとすると、これがとても難しい。
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## 「聞く」ことの難しさ
オープンダイアローグの場では、専門家も含めたすべての参加者が、対等に話します。誰かが「正解」を持っていて、それを教えるという構図ではない。
そこで起きることは、ただ「話す」ことではなく、「聞く」ことです。
誰かが話しているとき、次に何を言おうか考えながら聞くのではなく、その言葉そのものに耳を傾ける。それだけで、場の空気はずいぶん変わるといいます。
あなたが最後に、本当に「聞かれた」と感じたのは、いつのことでしょう。
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## 結論が出なくてもいい、という場所
オープンダイアローグで面白いのは、「対話そのものが目的である」という考え方です。
何かを解決するための手段として話し合うのではなく、話し合うこと自体に意味がある。会議でもなく、カウンセリングでもなく、ただ声が交わされる場所。
その場で答えが出なくていい、というのは、私たちの日常からすると少し不思議な感覚かもしれません。でも考えてみると、大切なことほど、すぐに答えは出ないものではないでしょうか。
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## 日常の対話に、少しだけ持ち込めるもの
オープンダイアローグを、そのまま日常に取り入れることは難しいかもしれません。ただ、そのエッセンスは、誰でも少しずつ意識できるものだと思います。
たとえば、誰かの話を聞くとき、すぐにアドバイスをしようとせずに、もう少し聞き続けてみる。自分が何か決めなければならないとき、関係する人の声を、もう一度確かめてみる。
答えを急がないこと。沈黙を怖がらないこと。
それだけで、誰かとの関係が、少し変わるかもしれない。
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「対話」という言葉は、日常にあふれています。でも、本当の意味で誰かと対話したとき、どんな気持ちになるのか――あなたは最近、それを感じたことがありますか。
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*Vayu編集部*
