食べない時間に、何を聴く――断食を始める前に考えたいこと

食べすぎた日の翌朝、少し胃を休ませたくなることがあります。

そんな小さな感覚から、「断食」という言葉が気になった人もいるかもしれません。けれど、断食とひとことで言っても、その形はさまざまです。

数日間ほとんど食べない方法もあれば、一日のうち食事をとる時間を限る「時間を区切った食べ方」もあります。まずは同じ言葉の中に、ずいぶん違う過ごし方が含まれていることを知っておくだけでも、少し見え方が変わるのではないでしょうか。

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断食は、身体を整えてくれるのでしょうか

断食については、体重や血糖、血圧などへの変化が調べられています。よい変化が見られた研究もある一方で、人についての研究はまだ短い期間のものが多く、長く続けたときのよさや心配ごとは、十分にはわかっていないようです。

また、食べる時間を短くしたから変化したのか、結果として食べる量が減ったからなのかを、きれいに分けることも簡単ではありません。

「断食をすれば身体がきれいになる」「誰にでも合う」と言い切れる段階ではなく、期待とわからなさの両方が残っているのかもしれません。

空腹は、いつも同じ顔をしていない

お腹が空いたと感じるとき、身体が食べものを求めていることもあれば、疲れや寂しさ、いつもの時間だからという習慣が重なっていることもあります。

食べない時間をつくることは、そうした違いに気づくきっかけになる人もいるでしょう。反対に、食べもののことばかり考えてしまったり、気分が沈んだり、あとでたくさん食べたくなったりする人もいます。

同じ方法でも、心と身体の受け取り方は一人ひとり違います。つらさを「効いている証拠」と考えず、その日の自分の様子を見て立ち止まることも大切なのではないでしょうか。

自己判断で始めないほうがよい人もいます

糖尿病のある人は、断食によって血糖が下がりすぎたり、反対に高くなりすぎたりすることがあります。薬の中には、食事の量や時間と深く関わるものもあります。

妊娠中や授乳中の人、成長期の子ども、体重が少ない人、食べることに苦しさを抱えた経験がある人、持病や服薬のある人も、自己判断で行わず、まず医師や管理栄養士に相談したほうが安心です。

めまい、ふらつき、強いだるさ、動悸、意識がぼんやりする感じなどがあれば、続けることよりも中止して助けを求めることを優先してよいのではないでしょうか。

「減らす」前に、静かに見てみる

断食に惹かれる背景には、身体を軽くしたい気持ちだけでなく、忙しい毎日をいったん止めたい思いが隠れていることもありそうです。

もしそうなら、いきなり長く食べない方法を選ばなくても、夜遅い食事を少し見直すことや、間食の前にひと息つくこと、ゆっくり眠ることから始められるかもしれません。

食べることは、栄養だけでなく、安心や楽しみ、人との時間にもつながっています。だからこそ、何かを強く禁じるより、「いまの自分は、何を休ませたいのだろう」と眺めてみることにも意味があるのでしょう。

空腹をつくることより先に、その奥にある小さな声へ耳を澄ませるとしたら、あなたには何が聞こえてくるでしょうか。


※この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療に代わるものではありません。食事を大きく変えるときは、体調に合わせて医師や管理栄養士へご相談ください。

参考:

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