世の中でAIが話題になるとき、議論の多くは「人間の仕事が奪われるかどうか」に向けられます。
確かに、仕事のやり方は大きく変わっていくはずです。ただ、もう少し別の角度からも見られるのではないかと思っています。
AIは、人間から仕事を奪うだけではなく、「人間に時間を返す技術」にもなり得るのではないか、ということです。
これまで時間がかかっていた細かな作業や調べもの、日々の段取りを技術に任せられるようになれば、そのぶん、作業に使っていた時間が空きます。
問題は、その時間を何に使うかです。
浮いた時間で、ただ別の仕事を詰め込んでさらに忙しく働く、という選択肢もあります。でも、それだけでは少しもったいない気がします。
たとえば、
- ふらっと旅に出てみる
- 読もうと思って買っておいた本を開く
- 音楽を聴く、映画を観る
- 誰かと結論を急がずに話をする
- 手を動かして何かを作ったり、絵を描いてみたりする
- あるいは、特に何もしないでぼーっと過ごす
働くこと以外に使える時間が増えれば、暮らしの組み立て方も、少し変わるかもしれません。
実際に旅に出て土地の空気を吸うこと、人に会って言葉を交わすこと、自分の目で見て確かめること。そうした、画面の外で実際に過ごす時間にこそ、時間を使えるようになってほしい。
ただし、時間が空けば、そのまま人が自由になれるわけではありません。生活が成り立たなければ、空いた時間は余裕ではなく、不安になることもあります。AIによって生まれた生産性や豊かさを、どうすれば一部の人だけではなく、多くの人の時間と安心に戻せるのか。そこは、お金や働き方の話として、これから別に考えていきます。
もし、日々の暮らしに少し時間が戻ってきたとしたら。
あなたなら、その時間で何をしますか。
