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ドイツ南部、アルゴイ地方のシュミッツフェルデンに、一度途絶えたガラスづくりの火を再び灯した工房がある。Adelegg地域にかつて13軒あったガラス工房のうち、最後に残った一軒だ。歴史的な工房は1898年に操業を停止したが、地域の保存団体Heimatpflege Leutkirchが建物を修復し、展示するだけではなく、再びガラスをつくる場所として蘇らせた。
一度消えた火を、もう一度
十年かかる仕事

Deutsche Handwerks Zeitung(2026年7月9日)の取材によれば、ガラス職人Stefan Michaelisは2003年にエディンバラからこの工房に移り、制作にたずさわってきた。炉はおよそ1,200度。溶けたガラスは重く、熱く、一人の手だけでは形にならない。Stanislav Kanaが吹き竿で炉からガラスを取り出し、息を吹き込んで空洞をつくる。Katharina Haglが道具でその形を整えていく。一つひとつの動作を合わせるチームワークとして、ひとつの器が仕上がっていく。
「よいガラス職人には、十年の経験が必要だ」
— Stefan Michaelis
Michaelisは同記事の取材に「よいガラス職人になるには十年の経験が必要」だと語っている。炉の熱の見極めも、竿を持つ手の感覚も、仲間の動きに合わせる呼吸も、一朝一夕には身につかない。この「十年」は比喩ではなく、本人が現場で積んできた実感として語られている数字だ。
見に来る人が、火を支える
同時に、記事は工房が観光と見学者に支えられている事実も記している。年間およそ1万2千人が訪れるとされ、その存在が経営を成り立たせ、職人が明日もそこで働ける条件をつくっている。炉を焚き続けるエネルギー負担は軽くなく、Michaelisは、手仕事を存続させるのは「純粋な理想主義」だと語る。昔ながらだから尊い、というだけでは続けられない仕事なのだ。
保存団体が選んだのは、工房を展示するだけで終わらせず、もう一度そこでガラスをつくることだった。見に来る人がいて、買う人がいて、職人が今日も火の前に立つ。その循環まで含めて、技術は残っていく——十年かかる仕事を、社会はどうやって残していけるのだろう。
お時間あれば、もう少し。
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