世界のどこかの台所で使われてきた道具や知恵。土地の暮らしをたずねます。
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ゲル、畳める家の骨組み
モンゴルの草原には、ゲルと呼ばれる住まいがあります。
骨組みは木の棒を格子状に組んだ部材で作られています。
ハナと呼ばれるその部材は、広げると丸い壁になります。
畳めば一本の束になり、持ち運びやすくなるそうです。
天井には放射状の骨組みが、天窓を支えて広がります。
全体を包むのは、羊毛から作られたフェルトです。
重ねる枚数を変えて、夏と冬の暑さ寒さに応じます。
解体すれば、家畜や車に積める大きさになるのだとか。
遊牧という暮らし方が、この形を育てたのでしょうか。
土地に留まらない暮らしにも、知恵があるようです。 -

素焼きの壺が、水を冷やす仕組み
中東や北アフリカには、素焼きの壺で水を冷やす道具があります。
陶器の表面には、目に見えないほど小さな穴が空いています。
その穴から水がわずかににじみ出るのだそうです。
にじんだ水が壺の外側で蒸発します。
蒸発するとき、まわりから熱を奪っていきます。
その結果、壺の中の水が少しずつ冷えていくといわれています。
電気を使わない、昔ながらの知恵といえるでしょうか。
インドでは「マトカ」、メキシコでは「オヤ」と呼ばれています。
形や呼び名は違っても、仕組みはよく似ているようです。
暑さの厳しい土地ほど、育ってきた道具かもしれません。


