ペルー旅日記 vol.04 ― 天空都市、マチュピチュ ― 母と見た景色

ESSAY
PERU DIARY vol.04Words / Photos : sumicco

天空都市、マチュピチュ ― 母と見た景色

一度は見てみたかった場所。
天空都市、マチュピチュ。
機会があるときに行こう、って決めて向かった。
母も一緒だった。

「行けるうちに、行っておこう」って、母との旅ではいつもこれが合言葉になってる。

実際に着いてみたら、写真で見てたよりずっと壮観だった。
石組みの遺構が、雲かかる山肌にぴたっと収まってて、これはもう自分の目で見てもらうしかないなと思う。
遠いけど、それだけの価値はある。
母の隣で、素直にそう思えた。

UNESCO世界遺産センター掲載のマチュピチュ公式写真マチュ・ピチュの歴史保護区|文化と自然が重なる世界遺産標高2,430メートル。インカの都市遺跡と、アンデスからアマゾン上流へ続く自然環境の両方が評価されています。UNESCO World Heritage Centre / Photo: © Ministerio de Cultura, Arturo Bullard Gonzales

遺跡のあちこちで修復・メンテナンスしてるおじさんたちがいて、声かけると気さくに応じてくれる。
ふと、母にも優しく声かけてくれてるのに気づいて、なんかじんわりした。
長い年月経った石組みを、今もこうして誰かが守ってるんだなって思うと、遺跡そのものだけじゃなくて、その営みにもちょっと胸打たれる。

OFFICIAL REFERENCE今も続く、マチュピチュの保存と手入れペルー文化省の国立考古学公園では、石造建築などを対象に、維持・監視・保存の専門作業が続けられています。Parque Arqueológico Nacional de Machupicchu / Ministerio de Cultura del Perú

* * *

写真撮っててふと気づいたこと。
人が写り込んでない方が「きれいな一枚」になりそうなのに、実際は逆だった。
誰もいない構図だと、どこかガイドブックの一ページみたいになって、今ひとつ現実感が薄い。
母が石段の前に立ってたり、遠くにぽつんと佇んでたりする写真の方が、その場の空気や広さがぐっと伝わってくる。
不思議なものだなあ。

アップダウンはある。それでも、この日に歩いたルートは、はじめにぐっと登ってから下る流れで、母も思っていたより無理なく歩けた。

マチュピチュは、遺跡だけでなく周囲の自然も含め、文化と自然の両方の価値をもつ世界遺産として1983年に登録されている。
石組みの静けさは、まるで神社のような聖地の空気をまとっていた。
世代を越えて旅をする母との時間が、ここでひとつの形になった気がする。

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