「情熱がなければ、できない」

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ギリシャの村メツォヴォで、手縫いと金糸刺繍を受け継ぐ仕立て職人。「情熱がなければできない」という言葉から、技術の継承を考える。

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ギリシャ北部、ピンドス山脈の山あいの村メツォヴォ。ここには今も、手縫いと金糸刺繍で伝統衣装を仕立てる小さな工房がある。

写真:Greek Reporter

Greek Reporter(2026年2月18日)の取材によれば、職人Evangelos Malambekosは1963年、12歳のときに師匠Georgios Nakasのもとへ弟子入りした。当時メツォヴォにはおよそ30人の仕立て職人がいたという。地元で「エリノラプテス」と呼ばれるこの職人たちは、地元産の織物を使い、儀礼と個人の識別、そして技術的な精密さを一枚の衣装に織り込んできた。

工房には、Malambekos自身が「もっとも特別な一着」と呼ぶ、金糸で全面刺繍されたベストが飾られている。現在は弟子のEvdokia Bissaが、その技術を引き継ごうとしている。

「情熱がなければ、できない」

— Evdokia Bissa

かつて30人ほどいた職人のうち、いま残るのはごくわずかだ。手仕事への国の支援は、これまで限られてきたという。技術は制度ではなく、弟子入りという一対一の関係のなかでしか渡っていない。記録に残せる手順と、記録できない「続けたいという気持ち」は別のものだ。Bissaの短い言葉は、その境目を静かに示している。技術を残すとは、手順を書き留めることなのか、それとも、次の人がそれをやりたいと思い続けることなのか。


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